IPA回収装置
水系洗浄機において、水切りにIPAを使用している場合、水とIPAを分離しIPAを再利用する装置です。
地球環境問題のひとつであるオゾン層破壊の最大原因であると考えられるフロンは精密洗浄においては最終工程での水切り乾燥に無くてはならない物でした。フロンの優れた特性は人体にとって殆ど無害であること、水に溶解しないため水切り乾燥に使用されたフロンは容易に水と分離され再使用することが出来ることでした。
ところが、フロンがオゾン層破壊の原因として全廃が決定されたため、精密洗浄分野では代替え溶剤を必要とするようになりました。この代替え溶剤の一つにIPA(イソプロピルアルコール)があります。しかし、IPAはフロンと違い水と溶け合うため、水を除去し再使用することが困難で、蒸留分離を行っても共沸混合物になり12wt%の水は分離されず、これ以上に水抜きをするには三元共沸を利用するかパーベーパレーション膜で行わなければなりませんでした。本装置はこれらの方法と異なり、結晶水を有する化合物により、IPAの水分を吸着除去する方法を採用することで、純度99.0wt%以上のIPAの回収再使用を実現することができるようになりました。
効果
・コスト削減
・環境保全
・ランニングコストの低減
・IPA品質の安全化および洗浄性能の向上
適用溶剤
・IPA
・エタノール
安全機構
・ガス検知器によるIPAガスもれ検知(2段警報、2段目でN2ガス導入)
・温度検知による蒸留槽内の原液残留管理
・温度検知による吸着槽の温度管理
・液レベル検知による原液および回収液の容量管理
・各種警報機能を装備
特長
・独自開発による蒸留水分吸着除去方式の採用
・加熱源として電気加熱によるオイルの間接方式を採用
・低コストで効率的な回収が可能(純度99wt%以上)
・シンプルな構成および防爆装置採用による高い信頼性
・コンパクトな設計
処理フロー
SD-2M12533 仕様
方式 | 蒸留と水分吸着(結晶水)の併用 |
用途 | 含有水IPAからのIPA回収 |
処理能力 | ※含有水分量により再生回収量は異なります 水分10%(液温20℃)で約100L/24Hr 水分15%(液温20℃)で約70L/24Hr 水分20%(液温20℃)で約50L/24Hr |
回収率 | 95%以上(稼働状況により異なります) |
回収純度 | 99wt%以上(稼働状況により異なります) ※最適時99.9wt%以上 |
運転 | 自動運転 |
電源 | AC200V 3Φ |
エアー源 | ドライコンプレッサー |
加熱方式 | 電気加熱によるオイルの間接加熱 |
冷却方式 | 循環水又は冷水機による冷却 |
制御操作盤 | 装置取付(扉は前開き) |
塗装色 | 本体 マンセル 2.5Y9/1 (クリーム系) 盤 標準色(既製品) |
付帯装置 | 原液タンク、回収液タンク |
外形寸法 | 750×1600×2000 |
★寸法:(W)×(D)×(H)mm