一般的なハロゲンヒーターとカンタルヒーターの比較表となります。熱源の運用・装置設計等でご参考ください。
ハロゲンヒーター | カンタルヒーター | |
概 略 | ・白熱電球から派生した電球型密封式ヒーター。 ・発熱体はタングステン(W)を使用。 | ・電熱器より派生し、石英管内に発熱体を入れた開放形ヒーター。鉄(Fe)・クロム(Cr)・アルミ(Ar)の合金であるカンタルを使用。 |
用 途 | ・タングステンの融点は3,420℃。 ・種々の温度設定が可能。 ・加熱以外の主用途は照明分野。 | ・発熱体の融点が1,500℃。 ・純水や薬液等の液体加熱に使用されている。 ・発熱体の主用途は工業用電気炉。 |
構 造 | ・石英管内にコイル状タングステンを密封。 ・発熱したコイルが石英管に直接触れないように保持リングで管の中央にコイルを保持している。 (石英ガラスの軟化点は1,600℃) ・導入部はモリブデン(Mo)箔による封止構造。 (石英と金属の熱膨張率差による破損を回避) | ・発熱体をコイル状に加工し石英管に内接するように挿入し、導入線を引き出す部分である石英管の端部にシリコン等の絶縁材で固定される。 ・外気との吸排気の機能として細いテフロンチューブを用います。 |
形 状 | ・直管型・リング状・並列型・2重管構造 等の複雑な形状が製作が可能。 | ・ハロゲンランプ同様の形状は製作出来ますがコイル形状に限界があり、細い石英管での製作は難しい。 |
出 力 | ・上記記載の箔封止構造により200Vにおいて4,000Wが限界(20A)。 | ・素線の巻き形状に限界があるが200Vにおいて 6,000W以上も製作可。 |
特 性 | ・設計温度に達するまで1~2秒程度。 ・発熱体の熱容量が少ないので冷却時間も早いので温度制御性に優れている。 | ・設計温度に達するまで1~2分程度が必要。 |
寿 命 | ・発熱時の色温度によりタングステンコイルへの負荷が変るので寿命が変ります。 色温度:ケルビン(K) = 発熱温度℃+273℃ ■2,300~2,500K …平均寿命5,000時間(液体~樹脂用) ■2,800K …平均寿命3,000時間(金属、半導体用) | ・発熱体の消耗により素線のやせ細りが進行し、断線に至ります。 ・通常品の平均寿命10,000時間。 |
電流 制御 | ・発熱体の温度特性で常温での電気抵抗が少なく起動時に電気容量の6倍の突入電流が発生する。 (2~3サイクル)。 ・制御回路の電気容量を大きくするか、スローアップ制御が必要。 ・SCRでの電流制御、スローアップが必要。 | ・突入電流が発生しないので、出力値の制御回路の電気容量で十分な制御が可能。 |